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TIPS 2026.10.21 ・ 印刷 ・ 入稿データ

「入稿データ」って何?
bleed・CMYK・300dpi、
印刷会社の英語を
やさしく翻訳

自分で作ったチラシやメニューを印刷に出したら、英語で「bleedがない」と言われた。そんな時のために、入稿データの基本と、オーストラリアの印刷会社でよく見る英語の意味、Canvaから入稿する時の手順を、毎日入稿データを作っているデザイナーがまとめました。

「入稿データ」って何?印刷会社の英語を、やさしく翻訳。Tenth Of October
Print-ready Bleed CMYK Canva Australia
01 ・ INTRO

画面ではきれいなのに、印刷するとずれる。

Canvaで作ったメニューやチラシを、いざ印刷会社に出そうとしたら「Please add 3mm bleed」「Is your file CMYK?」と英語で返ってきた。オーストラリアでお店をしていると、こんな場面はめずらしくありません。

「入稿データ」とは、印刷会社に渡す、そのまま印刷できる状態のデータのことです。画面できれいに見えていても、印刷のルールに合っていないと、白いふちが出たり、文字が切れたり、色がくすんだりします。

この記事では、自分でデザインを作った方に向けて、入稿データの基本と、印刷会社でよく見る英語の意味を、やさしく翻訳します。印刷会社の選び方は、オーストラリアの印刷会社の記事にまとめているので、あわせてご覧ください。

印刷会社の指定は変わることがあるので、注文の前に必ず最新のテンプレートやガイドを確認してください。
02 ・ CHECK 6

印刷会社から確認が来るのは、だいたいこの6つ。

印刷会社によって細かい指定は違いますが、確認が来るのは、だいたい次の6つです。ここでは、基本的な考え方を紹介します。

デザイナーの経験から
入稿データの作り方は、印刷会社や、印刷するもの(A4や名刺のような決まったサイズか、シールの型抜きのようなオリジナルの形か)によって変わることがあります。基本的には、印刷会社が用意しているテンプレート(templates / artwork guidelines)をダウンロードして、それに合わせて作るのがいちばん確実です。

1. 塗り足し(bleed)

印刷物は、大きな紙に印刷してから仕上がりのサイズに切ります。切る位置はわずかにずれることがあるので、背景の色や写真を、仕上がり線より外側まで伸ばしておきます。これが塗り足しです。

① 塗り足し(bleed)
背景をここまで伸ばす。切り落とされる部分
② 仕上がり線(trim)
実際に切る位置。仕上がりのサイズ
③ セーフエリア
文字やロゴは、点線の内側に置く
塗り足し、仕上がり線、セーフエリアの関係。幅は印刷会社ごとに違うので、注文する会社の指定に合わせます。

塗り足しの幅は印刷会社によって違いますが、基本的には3mmにしておくと安全です。Canvaの「印刷の塗り足し」表示でも、四方に約3mm(0.125インチ)が付きます。オリジナルの形のものは、印刷会社のテンプレートに合わせてください。

2. セーフエリア(safe area / safety margin)

切る位置がずれても文字やロゴが切れないように、仕上がり線より内側に余白を取ります。店名、電話番号、価格などの大切な情報は、この内側に収めます。余白の幅も、印刷会社のテンプレートで確認できます。

3. 色(CMYKとRGB)

画面は光の三原色(RGB)、印刷はインク(CMYK)で色を表現します。画面で見ている鮮やかな青や緑は、インクでは再現しきれず、くすんで見えることがあります。Canvaのヘルプでも、印刷の色は画面の色ほど幅広くないと説明されています。

印刷用のデータは、CMYKで作るのが基本です。RGBやPANTONE(特色)のまま入稿すると、思った色にならないことがあります。

デザイナーの経験から
画像のカラー設定がうっかりRGBのままだったり、印刷の機械(デジタル印刷かオフセット印刷か)の違いで、ブランドカラーとかけ離れた色になってしまったりすることがありました。ブランドカラーが大切な印刷物ほど、色の確認は丁寧にしたいところです。

Canvaでは「PDF(印刷)」で書き出す時に、色の設定をCMYKにできる場合がありますが、使えるかはプランや国によって異なります。RGBのまま入稿した場合は印刷会社で変換されるので、色が少し変わる前提で考えておくと安心です。

4. 解像度(resolution / dpi)

写真や画像は、仕上がりのサイズで300dpi以上が目安です。たとえば幅600ピクセルの画像は、2インチ(約5cm)の幅で印刷すると300dpiですが、4インチに引き伸ばすと150dpiになり、荒く見えます。

あとから数値だけを72から300に変えても、画質は戻りません。SNSから保存した画像やスクリーンショットは、荒くなりやすいので注意が必要です。

5. フォント(embed / outline)

印刷会社のパソコンに同じフォントがないと、文字が別の書体に置き換わることがあります。これを防ぐのが、PDFにフォント情報を含める「埋め込み(embed)」や、文字を図形に変える「アウトライン化(outline / create outlines)」です。アウトライン化した文字はあとから直せないので、編集できるデータを別に保存してから行います。

フォントが足りないデータは、そのままでは印刷に進めないこともあります。Illustratorなら「書式」メニューの「アウトラインを作成」(Create Outlines)でできます。オーストラリアの印刷会社から実際によく聞かれるのも、この文字のアウトライン化です。

6. 小さい文字、細い線、ファイル形式

小さすぎる文字や細すぎる線は、かすれたり消えたりします。文字や線の最低の大きさ・太さは、テンプレートやガイドで確認しておきましょう。メニューのアレルゲン表示や注意書きなど、小さくなりがちな文字は特に気をつけたいところです。

ファイル形式は、PDFで入稿するのが基本です。Illustratorで作った場合はaiやepsで渡すこともあります。Canvaで作った場合は、下で紹介する「PDF(印刷)」で書き出します。

03 ・ WORDS

印刷会社でよく見る英語、早見表。

Bleed 塗り足し。仕上がり線の外側まで伸ばす背景
Trim / Trim line 仕上がりサイズ、切る位置
Safe area / Safety margin 文字やロゴを入れてよい内側の範囲
Crop marks トンボ。切る位置を示す目印
CMYK / RGB 印刷の色 / 画面の色
Resolution / DPI 解像度。印刷は300dpiが目安
Outline fonts / Embed fonts フォントのアウトライン化 / 埋め込み
PDF/X-1a 印刷向けのPDFの規格。指定された時に使う
Rich black 広い面のための、深みのある黒(CMYKを混ぜた黒)
PANTONE 特色。指定のインク色。通常のフルカラー印刷ではCMYKに変換する
Stroke / Weight 線の太さ。「minimum 0.25pt」などと指定される
ai / eps Illustratorで作るデータの形式
Print-ready / Artwork 入稿データ、印刷用のデータ

小さな黒い文字は黒インクだけ(0C/0M/0Y/100K)、大きな黒い背景はリッチブラック(例:60C/40M/40Y/100K)を使うのが一般的です。トンボ(crop marks)を付けるかどうかは、印刷会社の指定に合わせます。

04 ・ CANVA

Canvaから入稿する時の手順。

Canvaのヘルプにある手順を、日本語でまとめます(パソコン版)。

  1. 「ファイル」から「設定」を開き、「印刷の塗り足しを表示」をオンにする(見つからない場合は「定規とガイド」の中)
  2. 背景や写真を、点線(塗り足しの端)まで伸ばす
  3. 文字やロゴは、仕上がり線から十分内側に置く
  4. 「共有」から「ダウンロード」を選び、ファイルの種類を「PDF(印刷)」にする
  5. 「トンボと塗り足し」にチェックを入れてダウンロードする

トンボは書き出したPDFにだけ表示され、編集画面には出ません。印刷会社がトンボ不要の場合は、チェックを外して塗り足しだけ付ける形になります(会社の指定に合わせてください)。

05 ・ DESIGNER

デザイナーが入稿前に見ていること。

わたしにとって入稿データの作成は、ほぼ毎日の作業です。チラシ、名刺、ショップカード、パッケージ、シール、キーホルダー、販促物のほか、箔押しやシルク印刷のような特殊な印刷もあります。入稿の前には、必ず次のことを確認しています。

  • 誤字、電話番号、住所
  • 日付と曜日が合っているか
  • 塗り足しとセーフエリア
  • 画像の荒さと、カラー設定(RGBのままになっていないか)
  • フォントのアウトライン化と、細すぎる線
  • レイヤーの分け方。デザイン、カットライン、箔押しなどの加工部分が、それぞれ正しいレイヤーに入っているか

最後のレイヤーの分け方は、印刷会社や、入稿するもの(シールの型抜き、箔押し、シルク印刷など)によって決まりが違います。特殊な印刷ほどルールが細かくなるので、注文する会社のテンプレートやガイドを先に確認しておくと安心です。

印刷会社の記事でも書いたように、背景をベタ塗りにしたデータでも、カットのずれで白いふちが残ってしまうことがあります。塗り足しをきちんと付けておくことが、いちばんの予防になります。

06 ・ FAQ

よくあるご質問

Q. Canvaの無料プランでも入稿できますか?

「PDF(印刷)」での書き出しや、トンボと塗り足しの設定はヘルプで案内されています。CMYKで書き出せるかはプランや国によって違うため、ご自身のアカウントの書き出し画面で確認してください。RGBのまま入稿すると、色が少し変わることがあります。

Q. 塗り足しは何mm付ければいいですか?

基本的には3mm付けておくと安全です。ただ、印刷会社や印刷するものによって指定が違うことがあるので、注文ページのテンプレートやガイド(templates / artwork guidelines)で確認してください。

Q. スマホで撮った写真は使えますか?

仕上がりのサイズで300dpi程度あれば使えることが多いです。小さく切り抜いて大きく引き伸ばすと荒くなるので、元の大きなデータを使ってください。

Q. 英語の指示がよくわからない時は?

上の早見表を参考にしつつ、わからない点は印刷会社にそのまま質問して大丈夫です。不安な場合は、デザイナーに入稿データの作成だけを頼む方法もあります。

07 ・ SUMMARY

英語の指示も、意味がわかれば怖くない。

印刷会社から確認が来るのは、塗り足し、セーフエリア、色、解像度、フォント、小さい文字と細い線の6つがほとんどです。迷ったら、印刷会社のテンプレートを使うのがいちばんの近道です。英語の指示も、意味がわかれば怖くありません。

「自分で作ったデータを、印刷できる形に整えてほしい」「どこに頼めばいいかから相談したい」という方は、Tenth Of Octoberにお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。料金は、内容を伺ってからお見積りします。

SOURCES ・ 参考にした公式情報
あわせて読みたい データの準備ができたら、次は印刷会社選び。
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